「こんばんは。どこ行くんですか?」
「漫画喫茶です」
「満喫行くんなら、俺と飲もうよ」
先週の水曜日のことです。友達と飲みに行き、駅でトイレに行っている間に終電を乗り過ごした私に、男が声をかけてきました。
「もう飲めないよぉ。さっきもトイレで吐いてきたし」
「じゃあ、コーヒーでもどう?」
その男の人は、ジーンズに薄出のジャケットを着ていました。爽やかでカッコいいので、ちょっと話をしてもいいかな、と思いました。
「15分とかならいいけど……」
「ほんと!? じゃあ、行こう」
新宿なので、深夜でも営業している喫茶店がたくさんあります。近くのお店に入りました。
男の人は雅人君といい、私と同じ歳で大学生でした。話が面白く、まったく下心を感じさせません。気付くと、30分もお喋りしていました。
「あっ、もうこんなに時間経ってる!」
「明日何かあるの?」
「朝からバイトなの。だから、満喫に行って寝ないと、と思って」
「でも、満喫で寝ても、疲れがとれないでしょ」
「そうなんでけど、仕方ないかなって……」
「じゃあ、うちで寝たら? すぐそこだから」
会ったばかりの人の家に行くのは、さすがに躊躇しました。
「大丈夫だよ。俺、あやしいやつじゃないしさ。うちなら、ウォーターベッドで寝れるよ」
「ウォーターベッド!?」
「そうそう。寝心地いいよ。寝てみたくない?」
「寝てみたい」
「じゃあ、行こうか」
「……うん」
10分ほど歩いて、雅人君のマンションに着きました。
「綺麗なマンションだね」
「まあ、そうだね」
「立地も最高だし。お金持ちなんだね」
「親がね」
靴を脱ぐやいなや、「こっちこっち」と言って、雅人君はリビングの奥にある寝室に私を連れて行きます。ドアを開けると、部屋の中央にウォーターベッドが鎮座していました。
「寝てみなよ」
お言葉に甘えて、私はベッドに体を横たえました。ブニョン、と水が体重を吸収します。
「すごいっ」
「だろ」
雅人君が私の隣に寝転がり、オッパイを揉みはじめました。
「ちょ、ちょっとっ」
「ウォーターベッドでのセックスも興味あるでしょ?」
「ないよぉ」
雅人君は強引にキスしてきました。私はもう、拒否する意思がなくなっていました。正直、こういうことになるんじゃないかな、とは予想していました。
「ねぇ、チンコしゃぶって」
ジーンズを脱いで、ペニスを私の目の前にさらします。いきなり!? と思いましたが、拒絶するわけにもいかないので咥え込みました。小さかった肉棒が、口内でみるみる大きくなっていきます。口をすぼめ、顔を上下に動かします。
「根本を、手でしごいて」
言われたとおり、ペニスの根本の皮を手でシコシコと愛撫してあげます。
「気持ちいいっ」
はぁっはぁっ、と雅人君の息遣いが荒くなります。
「もう、いいよ」
そう言うと、雅人君は私をベッドに仰向けに、パンティを剥ぎ取りました。スカートはそのままです。
「濡れてるね。じゃあ、挿れるよ」
何言ってるの!? 前戯してくれないの? ちょっと胸を揉んでくれただけじゃん? と不満を抱きましたが、それを口にする前に硬い棒がオマンコに突き刺さりました。
「はぁっ!」
確かに私は濡れていたようで、まったく痛みを感じませんでした。雅人君は挿入するなり、激しく腰を振りはじめます。
「気持ちいいよっ。すごく締まるよっ」
「私も気持ちいいっ、あぁっ、いいっ、感じるっ」
盛りのついた犬のように、雅人君は腰の動きを加速させます。
「イ、イキそうっ」
「えっ、もうっ?」
雅人君は、慌ててペニスを抜き、私の太ももに、ほとばしりを浴びせました。そして、ティッシュで後始末をすませると、私に背中を向けて寝てしまいました。
なんて自己中な男なんだ、と私はウォーターベッドにパンチをしました。ボニョ、と鈍い音しかしません。
せめて、このベッドの寝心地を楽しんでやる、と思い、私も眠りにつきました。